特集ページ
俺流物語|日本編 第7話「語録×音楽!?アカペラバトル勃発、家元の一言で場が凍る!」
――言葉には「力」がある。 それを“叫ぶ”のか、“刻む”のかで、意味は変わる。そして今、語録が“音楽”という名のステージで試される。消費されるか、響かせるか。 今日、家元はマイクの前に立つ。 “語る”だけが、語録やない。 第七話、始まりや。 夏の夕方、バーJOJOの扉がドンと勢いよく開いた。 「家元ぉ〜!出番っすよ、これはもうマジで事件っす!!」 マスターが息を切らせて飛び込んでくる。Tシャツの背中には、汗でにじんだ語録《動け、黙ってる間に抜かれてる》。 「何や、またパクリか?」 「ちがうっす!今度は“バトル”っす!」 「戦うんか?」 「音楽で、っす!」 家元の眉がぴくりと動いた。 事の発端は、地元高校のアカペラ部。彼らが開催する「語るアカペラLIVE」というイベントで、なんと“家元語録”をサンプリングした楽曲が使われるという話がSNSで拡散されていた。 だが、その内容が問題だった。 《止められたら、正解かもしれん》→「うける、止められるくらいが人生じゃん?」 《怒ってへんけど切れてんねん》→「イラついたら叫ぼうぜ〜 YEAH!」 つまり、**語録がただのネタとして“歌い飛ばされている”**のだった。 「俺は音楽好きっすよ。でもこれは、“消費”されてるだけっす!」 マスターの声は震えていた。 「家元、これ……潰していい案件っすか?」 「潰したら何も残らん。“教える”んじゃ!」 イベント当日。
地元公民館のホールには、若者たちが集まり、妙に盛り上がった空気が漂っていた。 「家元さんですよね?今日は…“特別審査員”という形でお呼びしました」 主催の顧問教師が頭を下げる。苦笑いが止まらない様子からして、事態を把握しているらしい。数曲が終わり、問題のアカペラグループ“3代目ペラペラーズ”が登場した。 リーダー格の少年は、金髪にピアスという出で立ちで、マイクを握る。 「Yo!語録? そんなもん歌詞にすりゃカッコいいってだけだろ?」 軽薄なリリックに、観客が湧く。 だが、その中に家元の姿を見つけた瞬間、空気が一変する。曲の途中、リーダーが家元を指さす。 「おーい本家登場? じゃあひとこと語ってくれよ!」 マイクが差し出される。家元は、ゆっくりと前に出た。 会場が静まり返る。彼は受け取ったマイクを見つめ、何も言わずにポケットから折り畳んだTシャツを取り出す。 そこに書かれていたのは、たったひとこと。 ――《鳴らすな、響かせろ!》 「音は、鳴ったら終わる。“響き”は、誰かの中で残る。お前らの“鳴らし方”に、残るもんはあるんか?」 客席から息を飲む音が聞こえた。 リーダーは一瞬たじろぐが、無理やり笑って取り繕う。 「いやいや、重すぎっしょ。俺ら音楽やってんだよ?」 家元は、マイクをそっとスタンドに戻した。 「せやから言うてる。“音楽”ってのは、“人間の魂を誤魔化せない遊び”や。軽く見てるのは、お前の方や」 会場が静まり返る中、家元は去った。 翌日、SNS上にはある動画が拡散されていた。 《3代目ペラペラーズ、ステージ上で語録に完敗!?》 《中学生も号泣。“言葉の力”を学んだ夜》 《“鳴らすな、響かせろ!”が今年の流行語か?》 アカペラグループのリーダーは、謝罪とともに新しい曲を発表した。 タイトルは、《響け、俺の恥》。 マスターは店でそれを聴きながら、しみじみとつぶやいた。 「語録って、ほんとに人を変えるんすね……」 家元はノートを開き、いつものように書き記す。 ――《黙らせるんやない。“言葉”に気づかせるんや》 この物語は、俺流総本家の歩みをもとに創作したフィクションです。登場人物・団体・出来事の一部には物語上の演出が含まれます。語録×音楽!?アカペラバトル勃発、家元の一言で場が凍る!







